履歴書の職歴欄で使われる「現在に至る」や「以上」。聞き慣れた表現ですが、正しい意味や使い方を知らないと、せっかくの履歴書がマイナス評価につながることもあります。
この記事では、それぞれの言葉の意味や、在職中・離職中など状況別の正しい書き方、さらにスペースが足りない場合の対処法まで詳しく解説します。この記事を通して、丁寧で好印象な履歴書を完成させましょう!
目次
履歴書の「現在に至る」「以上」の意味とは?
まずは基本となる「現在に至る」と「以上」の意味を正しく理解しましょう。ここでは、それぞれの言葉が履歴書上で持つ役割と重要性について詳しく解説します。
「現在に至る」の意味
履歴書における「現在に至る」とは、職歴欄でその職場に在籍していることを示す言葉です。具体的には、ある会社に入社してその職場で引き続き働いている場合に使用します。「現在に至る」は、「在職中」と同じ意味を持つ表現であり、現在進行形でその職務を続けていることを相手に分かりやすく伝えるために用いられます。
例えば、「20XX年X月〇〇株式会社第一営業部配属現在に至る」と記載すれば、入社した日から現在までその職場で働いていることを簡潔に伝えることができます。この表現を適切に使用することで、採用担当者に職務経歴が明確に伝わり、履歴書の印象が良くなります。
「以上」の意味
履歴書の「以上」は、職歴や学歴の記載が終了したことを示す重要な言葉です。この言葉を用いることで、「以降に追加の情報はありません」ということを明確に伝える役割を果たします。職歴欄の最後に記載することで、すべての記録が正確に書き終えられたことを相手に伝えるマナーとされています。
「以上」は在職中や離職中のいずれの場合でも使用します。例えば、最後に「現在に至る」と記した場合でも、その次の行に「以上」と加えることで書類の締めが整い、履歴書としての形式が完了します。また、「一身上の都合により退職」と記載した後にも「以上」を使用することで、転職の経緯やその期間についての区切りが明確になります。
このように、「以上」は単なる終了のサインではなく、履歴書全体を整った形に仕上げるための重要な要素なのです。
履歴書における「現在に至る」「以上」の正しい使い方
「現在に至る」と「以上」は状況によって使い方が異なります。このセクションでは、在職中・離職中・退職予定などのパターン別に、正しい記載例と注意点を紹介します。
在職中の場合の記載方法
在職中の場合、履歴書の職歴欄では最後の行に「現在に至る」と記載します。この表現を使うことで、現在もその職場に在籍していることを伝えられます。たとえば、「20XX年X月〇〇株式会社第一営業部配属」の後に「現在に至る」と記載することで、雇用や職務内容が継続していることが明確になります。
また、「現在に至る」の後には必ず「以上」を記載し、職歴が全て書き終わったことを示します。さらに、退職予定日が分かっている場合には「現在に至る(20XX年○月末退職予定)」といった形で具体的な情報を補足することも可能です。このような書き方で、履歴書を受け取る採用担当者に正確かつ配慮ある印象を与えることができます。
離職中の場合の記載方法
離職中の場合、「現在に至る」という表現は使用しません。職歴欄には、退職した日付とその理由を明記します。たとえば、「20XX年X月一身上の都合により退職」など、事実に基づいた表現を簡潔に記載することがポイントです。
その後、職歴の最後の行に「以上」と記載します。この「以上」は職歴の終了を意味し、書き漏れや記載ミスがないことを示す重要な役割を果たします。特に離職後の空白期間がある場合は、職歴欄とは別に自己PR欄などでその理由を説明することが推奨されます。
退職後や無職の場合の記載方法
退職後や無職の場合、離職中と同様に「現在に至る」を使用しない書き方が適切です。最終職歴の退職日を記載し、その理由を簡潔に示します。その際、「20XX年X月△△株式会社退職」のように記載した後、次の行に「以上」を記載することで職歴が完結していることが分かるようにします。
また、現在無職であることについて具体的な理由や現状について記載する必要は通常ありません。ただし、職歴以外の欄で自己アピールや転職活動の動機を説明することで、前向きな姿勢を伝えることができます。
残り1行/残りの行がない場合の記載方法
履歴書のスペースが足りず、残りの行が1行しかない場合でも、「現在に至る」または「以上」を記載するルールは変わりません。このような場合は、工夫して同じ行に略式で記載します。たとえば、「現在に至る/以上」といった書き方や、「現在に至る」と職歴の右端に併記する形が一般的です。
また、完全に行が埋まってしまい追加記載が難しい場合には、職歴欄のスペースに合わせてフォーマットを変更したり、別の用紙が許可されている場合は追加の職歴リストを添える方法も検討してください。このような記載ルールに柔軟に対応することで、情報の漏れを防ぎ、履歴書としての完成度を高めることが重要です。
履歴書の「現在に至る」「以上」のよくある質問
実際に履歴書を書くときに迷いがちなポイントを、Q&A形式で分かりやすくまとめました。枠に入りきらない場合の工夫やフリーランスの場合の対応など、細かい疑問にもお答えします。
枠に入らない場合の書き方
履歴書の職歴欄に記入すべき内容が多いためにスペースが不足する場合があります。そのような場合は、できるだけ簡潔に情報をまとめることが求められます。「現在に至る」や「以上」を枠内に収める方法としては、最後の行の右端に「以上」を記載することや、文字の文字間を狭めて調整することが挙げられます。また、書き切れない場合は、別紙に詳細を補足し、職歴欄の最後に「詳細は別紙参照」と記載することも可能です。ただし、レイアウトが乱れすぎると読み手の印象が悪くなるため、視認性を損なわないよう注意することが大切です。
退職予定でも履歴書には「現在に至る」と書くべき?
退職予定であっても、現在その職場に在籍しているのであれば「現在に至る」と記載します。ただし、退職予定日が確定している場合には、「現在に至る(20XX年○月末退職予定)」のように補足を加えると、採用担当者にとっても分かりやすくなります。この書き方は、転職を希望していることを正直に表示するとともに、誠実に対応している印象を与えることができます。また、本人希望欄に退職予定日や入社可能日を記載することも重要です。
個人事業主やフリーランスとして働いていた場合の書き方は?
個人事業主やフリーランスとして働いていた場合も、職歴欄にその経歴を記載する必要があります。この場合、「〇〇業を開始」「フリーランスとして活動開始」など、分かりやすく具体的に記載することが求められます。在職中の場合は「現在に至る」と記載し、契約満了予定の場合には「(20XX年○月まで)」と補足してください。誰が見てもあなたの働き方や経歴が分かるように整理することが重要です。また、具体的な活動内容や担当したプロジェクトを補足的な欄で書き添えることで、さらにアピール度が高まります。
「以上」「現在に至る」が書かれていないと評価に影響する?
履歴書の「現在に至る」や「以上」は、記載の有無が評価に直接的な影響を与えるわけではありませんが、正しい書き方をしていないことは、注意力不足や基本的なルールの理解が不足していると見なされる可能性があります。そのため、書き漏れがないか丁寧にチェックすることが重要です。「現在に至る」や「以上」を使うことで、職歴が完結していることを相手に明確に伝えられるため、信頼感や誠実さを示すことができます。些細なことと思わず、正確かつシンプルな履歴書を作成することを心がけましょう。
まとめ
履歴書で「現在に至る」や「以上」を正確に記載することは、応募先に対して自身の職歴を正確に伝えるために非常に重要です。「現在に至る」は、現在もその職場に在籍していることを意味し、「以上」は、履歴書に記載する学歴や職歴がすべて完結したことを示します。在職中の場合は「現在に至る」とセットで記載し、離職中の場合は退職理由と併せて「以上」を記載するのが適切です。
また、履歴書のスペースが足りない場合の工夫や、退職予定日、フリーランスとしての働き方の記載方法なども、状況に応じた表現を心がける必要があります。正しい書き方を理解することで、転職活動においてより効果的なアピールが可能となります。応募先の企業や業界の慣習にも注意しつつ、整った履歴書を作成しましょう。