転職活動において、履歴書の「免許・資格欄」は自分のスキルや専門性をアピールできる絶好のチャンスです。しかし、どんな資格をどのように記載すべきか、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか？実は、この欄の書き方ひとつで、採用担当者に与える印象が大きく変わることもあるのです。
この記事では、履歴書における免許・資格欄の基本ルールや書き方のポイントをはじめ、資格がない場合の対処法、避けた方がよい記載例まで、わかりやすく解説します。さらに、実際に履歴書に書けるおすすめの資格リストもご紹介！この記事を通して、あなたの強みを的確に伝えられる履歴書作成を実現しましょう！
目次
履歴書の免許・資格欄の正しい書き方
履歴書の免許・資格欄は、あなたのスキルや専門性を伝える重要なパートです。正しい書き方を知ることで、より効果的に自分をアピールできます。このセクションでは、記載時の基本ルールとコツをご紹介します。
免許や資格の正式名称で記載する
履歴書の免許・資格欄では、必ず免許や資格の正式名称を用いて記載することが重要です。略称や省略した表記では、応募先企業に正確な情報が伝わらず、評価が下がる場合があります。たとえば、「TOEIC」は「TOEICListening＆ReadingTest」と正式名称で記載し、「宅建」は「宅地建物取引士」と記載するのがおすすめです。正式名称は取得資格の信頼性や正確性を示し、採用担当者に好印象を与えるメリットがあります。
取得年順に記載する重要性
免許や資格は取得した年月の順に記載することがルールとして推奨されています。この順序に従わない場合、採用担当者が履歴書を読み取る際に混乱を招く恐れがあります。また、最新の資格をアピールするためにも、正しい順序で記載することが重要です。たとえば、「2020年普通自動車第一種運転免許取得」、「2022年日商簿記2級合格」のように記載すると、応募者の努力や継続的なスキルアップを効果的にアピールできます。
和暦・西暦を統一して記入
履歴書全体で和暦と西暦を混在させることは避けるべきです。特に免許・資格欄においても、使用する年号を統一することで整然とした印象を与えます。西暦は国際的で理解しやすいため多くの企業で推奨されています。たとえば、「2022年日商簿記2級合格」や「2023年TOEICListening＆ReadingTest750点取得」のように記載します。同様に、和暦で統一する場合は「令和4年普通自動車第一種運転免許取得」のように記載してください。
運転免許は上部に記載しよう
履歴書の免許・資格欄では、運転免許の記載を最初に行うのが一般的です。ビジネスや転職において、普通自動車第一種運転免許は多くの職種で評価される資格の一つです。そのため、運転免許を上部に記載することで、採用担当者にわかりやすくアピールできます。また、車の運転が求められる職種では必須スキルとなる場合もあるため、最優先で記載することを忘れないようにしましょう。
「取得」や「合格」を付けるポイント
免許・資格欄には、単に資格名を記載するだけでなく、その後に「取得」や「合格」といったキーワードを加えるのが基本です。この表記により、資格や免許を正式に取得したことを明確に示すことができます。たとえば、「2021年宅地建物取引士取得」や「2023年TOEICListening＆ReadingTest800点合格」のように記載します。これにより、取得したスキルや資格が履歴書上で正確に伝わることが期待できます。
免許や資格を持っていないときの履歴書への書き方
免許や資格を持っていない場合、履歴書の免許・資格欄に何も記入しないのではなく、「特になし」や「現在、資格取得に向けて勉強中」などと記入するのがおすすめです。このように記載することで、記入漏れと誤解されることを防ぎつつ、自分が資格取得に意欲的であることをアピールできます。
また、応募職種に求められるスキルを補完する形で将来取得を目指している免許や資格について簡単に触れるのも効果的です。例えば、事務職への応募であれば「現在、日商簿記3級の取得を目指し学習中です」と記載することで、意欲的な姿勢をアピールできます。このように履歴書の書き方を工夫することで、免許や資格がない場合でも転職活動でのプラス材料にできます。
さらに、免許や資格以外にも職種に関連するスキルや経験がある場合、他の欄に記載することで補うことも可能です。例えば、語学スキルがある場合は自己PRや職務経歴書にまとめたり、パソコン操作の経験がある場合は具体的なソフト名を記載したりすることで企業に魅力を伝えられます。
履歴書の免許・資格欄のNGな書き方
せっかく取得した資格も、書き方を間違えると逆効果になることもあります。ここでは、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう避けるべき記載例を具体的に紹介します。このセクションでしっかり確認しましょう。
略称や誤った名称を使わない
履歴書の免許・資格欄では、資格や免許の正式名称を記載することが求められます。略称や通称を使った場合、採用担当者に正しく伝わらなかったり、誤解を招く可能性があります。たとえば、「普通自動車第一種運転免許」を「普通免許」と記載したり、「日商簿記検定」を「簿記○級」と略すと不明確になる場合があります。採用担当者は正確な情報を求めているため、正式名称で記入することを心掛けましょう。
不必要な資格を多く記載しすぎる
履歴書には限られたスペースしかなく、重要な情報だけを的確に伝えることが大切です。たとえ資格を多く取得している場合でも、応募職種や業務に関連性の低い資格は省略するのがおすすめです。無関係な資格を詰め込むと、採用担当者に「PRポイントが分かりづらい」という印象を与える可能性があります。資格欄は、あなたのスキルや業務における強みを伝える場であるため、必要性の高い資格に絞り込みましょう。
取得予定の資格を曖昧に記載
「取得予定」や「勉強中」の資格を履歴書に記載する際には注意が必要です。転職において前向きな姿勢をアピールできる反面、「予定」として記載する場合には具体的な受験年月や進捗状況を明確にしましょう。「取得目指しています」「資格勉強中」といった漠然とした記載は評価につながりにくく、むしろ信用を損ねる可能性があります。例えば「202X年○月○日試験予定」と記載することで、努力していることがより具体的に伝わります。
和暦と西暦が混じっているケース
履歴書では、免許や資格を記載する際に年号を統一することが重要です。和暦と西暦が混在すると、採用担当者に読みづらい印象を与える可能性が高いです。また、正確さを求められる場面での記入ミスと見なされる場合もあります。履歴書全体のフォーマットを統一するために、記載する年号が和暦なら和暦に、西暦なら西暦に統一するルールを守りましょう。
応募職種に無関係な資格を記入
履歴書に資格を記載する際は、応募先の職種や業務内容に関連性が高い資格を中心に選ぶことがポイントです。たとえば、営業職を目指す場合には「普通自動車第一種運転免許」や「TOEICスコア」など実務に役立つ資格を優先的に記載します。反対に、趣味関連の資格や特定の専門分野でしか使えない資格は採用担当者に響かない場合があります。不要な情報を省くことで、重要なスキルをより引き立たせることができます。
履歴書に書ける資格の一覧15選
どの資格を履歴書に書けば良いか迷っていませんか？このセクションでは、職種問わず評価されやすい資格を厳選して15種類ご紹介します。資格選びに悩んだ際の参考にしてみてください。
普通自動車第一種運転免許
「普通自動車第一種運転免許」は、履歴書に必ず記載すべき代表的な免許の一つです。特に営業職や現場職のように車の運転を必要とする仕事では重視されることが多く、転職活動においても大きなアピールポイントとなります。記載する際は、正式名称を用い、「20XX年〇月普通自動車第一種運転免許（AT限定）」と取得年月を明確に記載するようにしましょう。通常は履歴書の免許・資格欄の最初に書くのが一般的です。
日商簿記（2級以上）
「日商簿記」は、経理や財務、営業職など、幅広い職種で評価される資格の一つです。特に「日商簿記2級以上」を取得している場合、実務レベルでのスキルの証明となり、採用担当者にポジティブな印象を与えます。正式名称で記載し、「20XX年〇月日商簿記検定2級合格」と具体的に記入しましょう。この資格は、財務報告や会計管理を必要とするポジションに応募する場合には特に有効です。
TOEICスコア（600点以上）
「TOEICスコア（600点以上）」は、ビジネス英語の基礎能力を示す資格として多くの企業が注目しています。特にTOEICスコアが高い場合、国際的なビジネス環境での適応力をアピールすることができます。履歴書に記載する場合は「20XX年〇月TOEICListening&ReadingTest〇〇〇点」と具体的な点数を明記することで効果的にアピールできます。幅広い業種に対応できるおすすめの資格です。
宅地建物取引士（宅建）
「宅地建物取引士（宅建）」は、不動産業界だけでなく、建設関連や融資相談などの分野でも高く評価される資格です。国家資格であるため、職種や業界を問わず信頼性が高い点が特徴です。資格取得後に名称が変更されたため、履歴書には必ず「宅地建物取引士」などの正式名称で記載し、「20XX年〇月宅地建物取引士資格試験合格」と記載すると良いでしょう。不動産関連のキャリアにおいては非常に重要なスキルとなります。
実用英語技能検定（英検2級以上）
「実用英語技能検定（英検）」は、日本国内において広く認知された語学系資格の一つで、特に「2級以上」を取得していると、一般的なビジネスシーンでの英語能力を証明できます。記載する際には「20XX年〇月実用英語技能検定2級合格」といった具体的な取得年月と資格名を明記しましょう。TOEICと併せて記載することで、語学に強いアピールポイントを加えることができます。
ITパスポート（情報処理技術者試験）
ITパスポートは、情報処理技術者試験の中でも基礎的な資格であり、業務におけるITリテラシーや基礎知識を証明する資格です。公式に「ITパスポート試験」という正式名称で記入することが重要です。この資格を履歴書に記載することで、企業へのIT対応力をアピールできるため、事務職やエンジニア職以外でもおすすめの資格といえます。特に昨今、DX化が進む現場では持っているだけでメリットが大きい資格です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、エンジニアやIT関連業務の基礎スキルを証明できる国家資格です。IT業界の転職では、利用頻度の高い資格の1つです。取得した際は「令和○年基本情報技術者試験合格」のように履歴書に記載してください。この資格はITパスポートよりも専門性が高く、プログラミングスキルやシステム設計の基本を習得している証明となるため、応募職種がシステムエンジニアやプログラマーの場合、大きなアピールポイントになります。
FP技能士（2級以上）
FP（ファイナンシャルプランニング）技能士は、資産運用や保険のプランニングなど、金融に関する専門スキルを証明する国家資格です。特に2級以上からが履歴書に記載する価値の高いランクとされています。正確な資格名としては「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」と記入しましょう。この資格を履歴書で記載することで、金融業界や資産管理業務の経験をアピールできるため、転職市場での価値が高いです。
医療事務資格
医療事務資格は、病院やクリニックの受付業務、カルテ管理、医療費請求業務に必要なスキルを証明する資格です。複数の資格がありますが、著名な「医療事務技能認定試験」や「医科2級医療事務能力認定試験」などは、社会的評価が高いため履歴書に記載すべきです。この資格を取得すると、医療の現場で信頼される即戦力として評価される可能性が高くなります。
秘書技能検定（2級以上）
秘書技能検定は、書類作成やスケジュール管理、マナーに関する知識を証明する資格です。特に2級以上は、ビジネススキルを持っている証拠として履歴書に書くことをおすすめします。資格名は「秘書技能検定2級」と正式名称で記載しましょう。この資格を持っていることは、事務職や秘書業務だけでなく、接客業やホスピタリティ業界など幅広い分野で重宝されます。試験に合格することで、他の応募者との差別化が図れる点がメリットです。
公務員試験合格資格
公務員試験合格資格は、履歴書に記載することで非常に高い信頼性をアピールすることができます。公務員試験を突破するには幅広い知識や論理的思考力、さらには計画的な学習が必要です。そのため、この資格を持っているだけで「真面目で努力ができる」という印象を与えることができます。特に民間企業での転職を目指す場合、安定感や自己管理能力をアピールする場面でもおすすめです。
CS検定（コンピュータサービス技能検定）
CS検定（コンピュータサービス技能検定）は、ITスキルやパソコン操作能力を証明する資格として注目されています。特に一般事務やシステム関連の職種では、即戦力としての適性を示す材料となります。資格を記載する際には「〇年〇月、CS検定〇級取得」と取得時期や具体的な級を記入することで正確さをアピールしましょう。履歴書の書き方でスキルの明確なアピールは重要です。
日本語能力試験（N2以上）
日本語能力試験（N2以上）は、国内外での仕事を目指す場合に履歴書へ記入をおすすめする資格のひとつです。この資格は、特に外国人や多言語を扱う業務で大きなメリットを持ちます。N2以上はビジネスレベルの日本語運用力を示すため、企業側からの信頼度が高い点が特長です。正式名称を使い、「N2取得」や「合格」と正確に記載することが理想的です。
カラーコーディネーター検定
デザインやマーケティングを重視する職場では、カラーコーディネーター検定が履歴書に記載可能な資格として評価を得られる場合があります。この資格を取得することで、色彩や配色理論の理解を持っていることを示すことができます。人目を引くクリエイティブな成果を求められる職種へのアピール材料として活用すると良いでしょう。
危険物取扱者資格
危険物取扱者資格は、化学や工業系の職種に直結する資格として広く知られています。特に化学薬品や燃料を取り扱う業務では必須資格となる場合も多く、そのため履歴書には必須で記載する必要があります。この資格は国家資格としての認知度も高いため、所持しているだけで業務上の信頼性を大きく向上させるメリットがあります。
履歴書に書かない方が良い資格5選
履歴書にはなんでも書けば良いというわけではありません。中には、記載しない方が印象を良くするケースもあります。このセクションでは、履歴書に書かない方が良い資格について詳しく解説します。
取得困難でない初心者資格
履歴書の免許・資格欄には、取得が簡単で専門性やスキルをあまり示さない資格を記載するのは避けた方が良い場合があります。例えば、頻繁に受験される資格である英検3級や簿記3級などは、一般的なスキルの範囲に留まるため、特に応募職種の要件に関係がなければ不要です。履歴書は自分の能力をアピールする場所なので、取得が難しい資格や業務に関連する資格を優先して記載するのがおすすめです。
古い取得で効果が薄い資格
履歴書に古い時期に取得した資格を記載するのは避けましょう。特に、長期間使っていないスキルやアップデートが必要とされない資格の場合、応募先に「専門性が低い」と見なされることがあります。資格取得後のスキルを磨き続けていれば問題ありませんが、そうでない場合は最新の資格やスキルで更新している履歴書の方が印象は良いです。
応募職種と無関係な資格
せっかく資格取得や合格を果たしたとしても、応募職種とまったく関係のない資格は記載しない方が良い場合があります。例えば、事務職の応募に対してスポーツ関連の資格を記載しても、履歴書を受け取る採用担当者には必要性が伝わりにくいです。むしろスペースを無駄に使用していると見なされる可能性もあるため、応募職種に関連性の高い資格を選んで記載するよう心がけるのがおすすめです。
プライベートな資格（趣味系）
資格欄に、趣味や個人の趣向を示す資格を記入するのは控えましょう。例えば、ペットの飼育や趣味系の認定資格などはプライベート寄りであり、転職先の企業にアピールできるスキルとは言えません。もちろん、趣味関連であっても職種に直結する場合は例外ですが、履歴書ではプロとしてのスキルや経験を示す内容に集中した方がメリットがあります。
期限切れの資格・免許
資格欄に有効期限の切れた資格を記載するのはNGです。採用担当者がその情報を確認した際に「更新を怠っている」と印象を悪くする可能性があります。特に運転免許や専門職での必須資格などは、期限内であることが信頼性に直結します。期限が切れている場合は記載せず、再取得を検討するか、他の現在有効な資格情報に切り替えることをおすすめします。
まとめ
履歴書の免許・資格欄は、あなたのスキルや能力をアピールする重要なポイントであり、正しい記入方法を意識することで転職成功の可能性を高めることができます。特に、免許や資格は正式名称で記入し、取得順を意識しながら和暦・西暦を統一することが大切です。また、応募先の職種に関連する資格や免許を優先して記入することで、企業側に的確なアピールが可能となります。
逆に、趣味や業務に無関係な資格を羅列することや、略称の使用などは避けるべきです。もし、免許や資格を持っていない場合でも、履歴書上で誠実な対応をすることが求められます。履歴書に書けるおすすめの資格を参考に、あなたの強みを最大限にアピールできる内容に仕上げてみましょう。
正しい履歴書の書き方を意識し、スキルや資格取得のメリットをしっかり伝えることで、応募先に好印象を与えられるはずです。転職活動を成功させるために、一つ一つ丁寧に履歴書を作成することを心がけてください。