履歴書を郵送する際に同封する「送付状」は、応募書類の第一印象を左右する重要なビジネスマナーの一つです。しかし、パソコンで作成すべきか、手書きが良いのか迷う方も多いのではないでしょうか?企業によっては送付状の書き方から応募者の誠意やビジネスマナーを見ていることもあります。
この記事では、履歴書の送付状を手書きで作成する際のメリットやマナー、パソコンで作成する場合との違い、そして注意すべきポイントを徹底解説します。この記事を通して、送付状で好印象を与えるための正しい知識と実践方法を身につけましょう!
目次
履歴書の送付状は手書きが良い?
履歴書の送付状はパソコンでの作成が一般的ですが、手書きにも一定のメリットがあります。手書きの送付状は、誠意や熱意を伝えやすく、受取人に好印象を与えることが期待できます。
また、転職活動で競争が激しい場面では、他の応募者との差別化につながることもあります。しかし、必ずしも手書きである必要はありません。
応募する業界や企業の雰囲気、採用担当者の求めるものに合わせて、書き方や作成方法を検討することが重要です。テンプレートを活用した効率的な作成も選択肢の一つです。
そもそも履歴書の送付状の役割とは
送付状は単なる添付文ではなく、書類全体の第一印象を左右する重要なビジネスマナーです。送付意図を明確に伝え、自己紹介や丁寧さを示すためにも欠かせません。このセクションでは、送付状の基本的な役割や効果を整理していきます。
送付状の役割
履歴書の送付状は、書類送付時のあいさつ状として重要な役割を果たします。送付先の担当者に対し、送付書類の内容や転職の意思を簡潔に伝えるための手段です。
この文書を通じて、ビジネスマナーを守る意識や丁寧な姿勢を示すことが求められます。また、送付状に記載する情報を活用して、企業側がどの求人やポジションに応募しているのかを迅速に把握できる利点もあります。
送付状のメリット
送付状を同封することにはいくつかのメリットがあります。まず、履歴書や職務経歴書だけでは伝えきれない感謝の気持ちや連絡事項を補足できる点が挙げられます。
加えて、丁寧さや配慮が伝わるため、応募者の第一印象を良くする可能性が高まります。また、自己PRや送付する目的を簡潔に記載することで、自分の意欲や適応力を印象付けることができます。
手書きで送付状を作成する場合には、さらに誠意が伝わりやすくなるという効果もあります。
送付状が不要なケース
送付状が必ずしも必要でない場合もあります。例えば、面接の際に履歴書を直接持参するケースや、企業側が特に送付状を求めていない場合です。
また、アルバイトやパートタイムの応募では、定型の履歴書のみで十分とされることが多く、送付状が省略されることがあります。ただし、送付状を添付することで、応募者としての丁寧さを示すことができるため、特に迷った場合には送付することを推奨します。
履歴書の送付状を手書きで書くポイント
手書きで送付状を書く場合は、用紙選びや書き方のマナーをしっかり押さえる必要があります。見た目の丁寧さはもちろん、構成や内容のバランスも重要です。ここでは、手書き送付状を作成する際に押さえておきたいポイントを具体的に紹介します。
縦書きの便箋で手書きする
履歴書の送付状を手書きで作成する場合、縦書きの便箋を使用することが一般的です。手書きの送付状は丁寧な印象を与えるため、採用担当者に誠意が伝わりやすいとされています。また、無地やシンプルな罫線の入った便箋を選ぶことで、見た目がきれいで読みやすくなります。
用紙サイズは書類に併せる
送付状に使用する便箋のサイズは、履歴書や職務経歴書と同じA4かB5サイズが最適です。サイズを統一することで書類全体のまとまりが出て、受け取る側にとっても配慮が感じられます。
また、サイズが異なると他の書類と混乱する恐れがあるため、特に注意が必要です。
適切な頭語と時候の挨拶を記入する
送付状の冒頭には、適切な頭語(例:拝啓)を必ず記載しましょう。その後、季節感のある時候の挨拶を続けます。
例えば、春なら「陽春の候」、冬なら「厳寒の候」といった表現を取り入れます。このような挨拶を記載することで受け手に丁寧な印象を与えることができます。
添付書類と枚数を箇条書きで記入する
送付状には、同封した書類の種類と枚数を明記します。例えば、「履歴書1通」「職務経歴書1通」のように、箇条書き形式で記載すると分かりやすいです。この部分は、相手が書類をチェックしやすくするためにも重要です。誤記がないように確認を徹底しましょう。
本文に自己PRや送付目的を簡潔に記入する
送付状の本文では、応募の動機や自己PRを簡潔に含めます。例えば、「貴社の業務に貢献できると確信しております」といった表現を取り入れると効果的です。ただし、過度なアピールや詳細すぎる説明は避け、あくまで簡潔に要点をまとめるように心掛けましょう。
結びの挨拶と締語を記入する
送付状の最後には、結びの挨拶と締語を記載します。簡潔に「書類をご査収のほどよろしくお願い申し上げます」といった挨拶を入れ、締語として「敬具」で締めます。
この一文が丁寧であることが、送付状全体の印象を左右するため重要です。
日付・氏名・宛名を記入する
送付状の右上には投函日の日付を記載し、本文の最後に自分の氏名を署名として記入します。さらに、左上には宛名として会社名と担当者名を明記します。
担当者名が分からない場合は、「○○御中」と記載することで問題ありません。これらの基本項目に漏れがあるとマナー違反と見なされるため、慎重に確認してください。
履歴書の送付状を手書きで書く際の注意点
手書きの送付状は丁寧さが伝わりやすい一方で、注意すべきポイントも多くあります。誤字やマナー違反があると、かえって印象を悪くしてしまう恐れも。このセクションでは、手書き送付状を作成する際の注意点を具体的に解説します。
送付状は縦書きの便箋1枚に収める
履歴書や職務経歴書に添える送付状は、縦書きの便箋を使用し、1枚に収めるのが基本です。
手書きの場合、あまりに長文になると読みづらくなり、マナーに欠ける印象を与える可能性があります。そのため、内容は簡潔ながらも必要な情報をしっかりと盛り込みましょう。
なお、便箋のサイズは書類がA4であればA4、B5であればB5に統一するのがおすすめです。
希望条件は書かない
送付状には、応募者としての希望条件を記載しないようにしましょう。
例えば、「残業なしの条件で働きたい」や「希望する給与額」などの要求を送付状に記載すると、企業に不快な印象を与える可能性があります。
送付状の役割はあくまであいさつと送付書類の内容を伝えることにあるため、希望条件は別途の場で伝えるようにしてください。
過度な自己PRや志望動機の記載は避ける
送付状は履歴書や職務経歴書を補足するものですが、過度な自己PRや志望動機の記載は不要です。
企業がチェックする主たる書類はあくまで履歴書と職務経歴書であるため、送付状では簡潔なあいさつおよび送付書類の説明に留めましょう。
「書き方」に注意し、冗長にならないよう、ポイントを押さえて作成すると良いでしょう。
定型文だけに頼らず、自分の言葉でまとめる
送付状をテンプレートだけで作成するのも良いですが、可能であれば自分の言葉を適度に混ぜて個性を出すことを心がけましょう。
例えば、簡単な自己PRや送付理由などを記載する際に、自分らしい表現を盛り込むと、より印象的な送付状になります。ただし、過剰に凝りすぎたり、くだけた表現にならないよう、ビジネス文書としての形式を守ることも大切です。
修正液の使用は避ける
手書きの送付状を作成する際、万が一誤字が生じた場合でも修正液は使用せず、最初から書き直しましょう。
修正液を使った跡が残っていると、丁寧さや責任感に欠ける印象を与えかねません。重要な書類を作成しているという意識を持ち、余裕を持って清書することをおすすめします。
履歴書の送付状のパソコンでの作成方法
手書き以外にも、パソコンで送付状を作成する方法があります。ビジネス文書としての形式を守りつつ、効率よく整った印象を与えるにはコツがあります。ここでは、パソコンで作成する際の基本ルールや記載内容を詳しく解説します。
「日付(投函日)」を右上に記入する
履歴書や職務経歴書に添付する送付状では、まず右上に日付を記入します。日付は投函当日時点の日付を使用し、西暦と和暦のどちらを選ぶかは他の書類と統一するのがポイントです。
「○○年○月○日」といった形式で記し、見やすく書くよう心掛けましょう。
「宛名」を左上に記入する
宛名は送付先の会社名や担当者名を記載し、左上に配置します。会社名には「株式会社」や「有限会社」を略さず正式名称で記載し、敬称には「御中」を使います。また、担当者名が分かる場合は「○○様」と付けるとより丁寧な印象を与えます。
「自分の名前」を連絡先つきで記入する
送付状の最後には、自分の名前を連絡先とともに記入します。これにより、万一送付書類に不備があった場合でも迅速に連絡を受け取れるようになります。連絡先には、郵便番号・住所・電話番号・メールアドレスを記載するのが一般的です。
「拝啓」と「敬具」を入れる(頭語/結語)
送付状にはビジネスマナーとして「拝啓」と「敬具」のような頭語と結語を使用します。これは特に重要な要素で、文書を格調高いものにします。頭語と結語は必ずセットで使い、バランスを意識しましょう。
「時候の挨拶」を入れる
時候の挨拶を入れることで、書面がより丁寧で礼儀正しい印象を与えます。例えば季節に応じて「桜の便りが待ち遠しい頃」や「秋冷の候、ますますご健勝のことと存じます」といった表現がよく用いられます。
「結びの挨拶」を入れる
本文の最後には結びの挨拶を記載します。たとえば「末筆ながら貴社のご発展をお祈り申し上げます」といった言葉を添えると、丁寧な印象を与えられます。これにより送付文全体が整い、よりプロフェッショナルな印象を受けます。
「同封する書類」を、箇条書きで記載する
送付状には、同封している書類を箇条書きで記すことも忘れずに行います。例えば「履歴書1枚」「職務経歴書1枚」「資格証明書のコピー1枚」といった具合です。同封物をわかりやすくすることで、受取人の確認作業がスムーズになります。
「以上」と記入する
送付状の最後には「以上」と記載して文を締めくくります。この一言を加えることで文書全体の締まりが良くなり、格式を保つことができます。忘れずに記載するよう心掛けましょう。
まとめ
履歴書の送付状は、転職活動において応募書類の第一印象を左右する大事なツールです。手書きの場合は縦書きの便箋を使い丁寧に書き上げることで誠実さをアピールし、パソコンで作成する場合はテンプレートを活用して体裁を整えることが重要です。
送付状には書類送付の意図を簡潔に伝える役割があり、適切な書き方を意識することで企業へ好印象を与えることができます。
一方で、場合によっては送付状が不要なケースや、注意すべきマナーもあります。応募先や状況に応じて判断し、適切に対応することが成功への鍵となります。