履歴書を郵送する――それは、あなたの第一印象を左右する大切なプロセスです。書類をきちんと整え、正しいマナーで送付することは、ビジネスパーソンとしての基本的な心配りをアピールする絶好の機会でもあります。しかし、封筒の選び方から宛名の書き方、封の仕方に至るまで、細かなルールや注意点が意外と多く、戸惑う方も少なくありません。
この記事では、履歴書を郵送する際に押さえておきたいマナーや注意点を、わかりやすく丁寧に解説していきます。この記事を通して、確実に好印象を与える履歴書の郵送方法をマスターしましょう!
目次
履歴書を封筒に入れる前に確認すべきこと
履歴書を郵送する際は、細心の注意を払う必要があります。以下に、履歴書を封筒に入れる前に必ず確認すべきポイントを箇条書きで紹介します。
- 履歴書や職務経歴書に誤字や脱字がないか確認しましょう。
- ふりがなや氏名、連絡先などの記入漏れがないかチェックしてください。
- 空欄がないよう、すべての必要項目に記入していることを確認しましょう。
- 写真がしっかり貼られているか、剥がれたり曲がったりしていないか確認します。
- 押印が必要な場合、適切に押されているかチェックしましょう。
- 履歴書内の学歴・職歴の入学、卒業、入社、退職年月日が正確に記されているか確認します。
- 履歴書や職務経歴書の内容を控えるため、コピーを1部取ることをお勧めします。
- 送付状(添え状)を作成し、応募書類の上に重ねる準備を済ませましょう。
これらのポイントを守ることで、履歴書送付時のミスを防ぎ、企業に対して良い印象を与えることができます。「履歴書の書き方」や「郵送時のマナー」を意識することが、社会人としてのマナーと信頼の証になります。
履歴書を郵送する封筒の選び方
封筒選びは、履歴書を丁寧に届けるための第一歩です。ここでは、サイズや色、材質など、ビジネスマナーに沿った正しい封筒選びのコツを紹介します。
封筒のサイズはA4か角形2号を選ぶ
履歴書を郵送する際は、封筒のサイズ選びが非常に重要です。基本的にはA4サイズがピッタリ入る角形2号の封筒を選ぶようにしましょう。このサイズを選ぶことで、履歴書や職務経歴書を折らずにそのまま入れることができ、書類に折り目やシワがつくリスクを防ぐことができます。また、送付状を同封する場合にも十分な余裕があるため、全体の仕上がりが綺麗に見えます。応募書類は企業において第一印象を与える重要なツールですので、適切なサイズの封筒を選ぶことは非常に大切です。
封筒の色は白が基本、柄や派手なデザインは避ける
封筒の色は、正式な応募書類としてふさわしい白色を選ぶことが基本です。茶色のクラフト封筒も一般的ですが、白の封筒はより清潔感があり、正式な印象を与えるためおすすめです。柄や派手なデザイン、カラフルな封筒はビジネスの場には適しておらず、企業に良い印象を持たれにくい可能性があります。応募者の配慮が感じ取れるシンプルな白い無地の封筒を選ぶことが、履歴書の送り方でのマナーといえます。封筒の選択によって、送付された書類が相手へ与える印象が大きく左右される点を意識しましょう。
封筒の材質は厚手のクラフト紙がおすすめ
封筒の材質には、厚手のクラフト紙が適しています。厚手であることで封筒自体が頑丈になり、郵送中の衝撃から履歴書や職務経歴書をしっかりと保護することができます。特に複数枚の書類を送る場合、薄手の封筒では破れるリスクがあるため避けてください。クラフト紙は硬めの仕上がりで、折れやシワの発生を防ぐ効果もあります。封筒の材質がしっかりしていることで、企業にも応募者が丁寧に準備していることが伝わるため、好印象を与えるポイントとなるでしょう。
無地の封筒か「履歴書在中」印刷済みのものを選ぶ
封筒には無地のもの、または「履歴書在中」と印刷済みのものを選びましょう。「履歴書在中」と記載されていない無地の封筒を選ぶ場合は、赤文字で自分で記入する必要があります。記載されていることで、企業の郵便担当者に内容がわかりやすく伝わり、スムーズな取り扱いが可能です。また、「履歴書在中」の記載は、正式な応募書類としての基本的なマナーに該当します。そのため、必ず表面左下に記載されている封筒、もしくは自分で追記することを忘れずに行いましょう。
余裕を持ったサイズで余白を確保
封筒は履歴書や職務経歴書を入れる際、書類がピッタリ過ぎずに少し余裕があるサイズを選びましょう。余裕がないサイズの封筒を選ぶと書類が窮屈になり、封筒自体が膨らんだり、書類が歪んでしまう可能性があります。封筒の中に少しゆとりを持たせることで、見た目の美しさを保つことができ、封筒の外観も整った印象を与えます。また、余裕を持った封筒は郵送中の衝撃にも備えやすく、安全に履歴書を企業へ送れるというメリットもありますので意識して選びましょう。
履歴書を郵送する封筒の書き方
封筒の表書きや裏面の記載ミスは、応募書類全体の印象を損なう原因になりかねません。このセクションでは、履歴書郵送にふさわしい封筒の正しい書き方を解説します。
宛名は企業名と担当者名を正確に記載する
履歴書を郵送する際、宛名は企業の公式名称を略さず記載することが基本です。「株式会社」を「(株)」と省略するのは避け、正式名称をそのまま書きましょう。複数の部署や担当者が存在する場合には、具体的な部署名や担当者名を正確に入力することが大切です。併せて「御中」や「様」の使い方にも注意してください。企業名のみの場合は「御中」を、担当者名が明示されている場合は「様」を付けるのが正しいマナーです。これらの記載ミスや誤字脱字は採用担当者に悪い印象を与える可能性があるため、必ず送付前にチェックを行いましょう。
住所は都道府県名から略さず記載する
封筒の宛名には、送り先である企業の住所を正確に記載します。特に注意すべき点は、都道府県名を略さずにフルで記載することです。住所を略して書いてしまうと、郵便物が届かないリスクが高まるだけでなく、ビジネスマナーとして不適切と見なされる可能性があります。番地や建物名、部屋番号についても正確に記載し、必要に応じて郵便番号と併記するのが理想的です。また、宛名記載時は丁寧に手書きすることで、誠意ある印象を与えることができます。郵送前には、記載内容に間違いや漏れがないか再確認を怠らないようにしましょう。
「履歴書在中」の文字は赤字で大きく書く
封筒表面の左下部分に「履歴書在中」と赤字で記載するのが基本です。この記載は郵送物の中身を企業側に分かりやすく伝えるための重要な要素となります。文字はできるだけ大きく、はっきりと見えるよう目立たせることを意識して書きましょう。「履歴書在中」の文字を手書きする際には、下線を引いたり枠で囲むとさらに視認性が高まります。なお、複数の応募書類を同封している場合には「応募書類在中」と記載するのが妥当です。このルールに従って封筒を作成することで、企業に配慮された印象を与えることにつながります。
封筒の裏面には自分の住所と名前を書く
封筒の裏面の記載も忘れないよう注意が必要です。ここには自分の住所と名前を書きます。特に、郵便物が何らかの事情で配達不能になった場合に返送されるため、この情報は非常に重要です。住所の記載も都道府県名から略さず記入し、建物名や部屋番号も省略せずに記載しましょう。また、名前の後にふりがなを加えると、相手がスムーズに読み取ることができます。一貫して手書きで丁寧に記載することで、細かい部分まで配慮された印象を与え、企業によい印象を与える可能性が高まります。
「〆」など封字を書くか、封をテープで閉じることも可能
封筒の封を閉じる際には、「〆」マークを書き加えるか、のりやテープでしっかりと閉じるのが適切です。この「〆」マークには、封筒を開閉する際の確認印としての意味が込められており、日本のビジネスマナーとして重要視される行為の一つです。また、のりやシールを使用する際には丁寧に貼り付け、途中で開かないようにしっかりと密閉してください。これらの細かい配慮は就職活動の際に求められるマナーとして評価されるポイントになります。封を閉じた後も最終確認を行い、不備がないことを確かめてから送付するようにしましょう。
履歴書の折り方・封筒への入れ方
履歴書や職務経歴書をどのように封筒に入れるかも大切なポイントです。ここでは、折り方や書類の順序など、見た目もきれいに整える方法を詳しく紹介します。
履歴書は基本的に折らずにそのまま入れる
履歴書を封筒に入れる際は、基本的に折らずにそのまま入れるのが原則です。特にA4サイズの履歴書は、角形2号やA4サイズ対応の封筒を使えば、折り目が付かない状態で送ることができます。履歴書に折り目があることで、企業担当者が読みづらく感じる場合がありますし、雑な印象を与えかねません。また、職務経歴書や送付状を同封する場合も、折らずに入れることで書類の整合性が良くなります。見た目を整えるだけでなく、重要書類としての扱いを意識した入れ方がポイントです。
折る場合は三つ折りにするのが基本
やむを得ず履歴書を折る必要がある場合には、三つ折りにするのが就職活動での一般的な形です。三つ折りにする際は、仕上がりがきれいな状態になるよう、しっかりと揃えて折り、余分な折り目をつけないよう心掛けます。まず、履歴書の下3分の1を上に折り上げ、その後、上部3分の1を下に折り下げる形で三つ折りを完成させます。この折り方だと見た目にもスマートで、企業の担当者に好感を与えられる可能性が高まります。ただし、三つ折りにして送る場合、一緒に同封する書類も統一感を持って折り揃えることが大切です。
送付状がある場合は一番上に重ねる
履歴書と共に送付状(添え状)を同封する際は、送付状を一番上に重ねるのがマナーです。送付状は、郵送書類を受け取った企業の担当者が最初に目を通す書類になります。そのため、挨拶や目的を明記した内容を簡潔にまとめるとともに、正式なビジネス文書であることを意識して作成しましょう。送付状を一番上に配置し、次に履歴書、職務経歴書、その他の書類を順に重ねることで、整理された印象を与えることができます。書類の順序が乱れていると、読み手に対する配慮の不足とみなされることがあるため注意が必要です。
封筒と書類の順序を整える
封筒に履歴書や職務経歴書を入れる際には、書類の順序を整えることが大切です。一般的な順番は、送付状→履歴書→職務経歴書や資格証明書などの順となります。順序を統一することで、企業担当者がスムーズに中身を確認できるようにする配慮が求められます。また、書類を封入する前にクリアファイルにまとめて入れ、濡れや折れの防止をするのがおすすめです。クリアファイルを使用することで、書類がしっかり保護されるため、企業に対して丁寧さや誠実さが伝わるでしょう。
封を閉じる前に書類の確認を行う
履歴書や職務経歴書を封筒に入れた後は、封を閉じる前に必ず内容を確認することが重要です。送付状や履歴書が正しく記入されているか、書類が入れ忘れなく揃っているか、誤字脱字がないかを再度チェックしましょう。また、切手の枚数や料金が正しいかも確かめておくと安心です。この最終確認作業を怠ると、不備のある書類が企業へ届き、採用担当者に手間をかけてしまう可能性があります。「書類を送る」という行動自体が企業への第一印象となるため、細部にまでこだわる心掛けが必要です。
履歴書の郵送&提出時のマナー5選
郵送方法や到着確認など、郵送後まで配慮することで、さらに好印象を与えることができます。このセクションでは、履歴書送付時に守るべきマナーを5つにまとめて解説します。
封筒や宛名に誤字脱字がないか確認する
履歴書を郵送する際、封筒や宛名に誤字脱字があると企業にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。宛名や住所、担当者名を記載する際には正式名称を利用し、“(株)”などの略語は避けましょう。また、手書きの場合は特に丁寧に記入し、書き損じがないかを再確認してください。誤字や脱字が一つでもあると、応募書類全体の信頼性が損なわれてしまうことがあります。最終チェックは必ず行い、履歴書と職務経歴書など同封する書類の内容も合わせて見直すようにしましょう。
提出日までに余裕を持って郵送する
履歴書を郵送する際は、企業への到着日を念頭に置き、スケジュールに余裕を持って準備しましょう。郵便事情によって配達が遅れるケースもゼロではないため、企業が指定する締切日の2〜3日前には届くように手配するのが理想的です。応募時には「履歴書を送る」だけでなく、企業側の負担を減らす配慮も重要です。また、余裕があるスケジュールで進めることで、封筒や書類の書き方などに集中でき、ミスを防ぐことにもつながります。
切手の料金を正確に貼る
履歴書の郵送時に切手料金が不足していると、受取人である企業に追加料金が発生し、応募者としての評価が下がる要因となりかねません。職務経歴書や送付状を同封する場合は、封筒の重さを計測し、必要な料金の切手を貼ることが重要です。郵便局の窓口で確認すれば正確な料金がわかるので、心配な場合は直接訪問して対応するのもおすすめです。また、切手はまっすぐ貼り、見栄えを整えることで、細部まで気を配っていることをアピールできます。
ポスト投函よりも郵便窓口から発送がおすすめ
履歴書を郵送する際は、できるだけ郵便窓口から発送することをおすすめします。ポストに投函する方法もありますが、郵便窓口を利用することで料金不足の確認や発送記録を確実に行えるメリットがあります。特に重要書類である履歴書や職務経歴書を送付する場合には、書留サービスを利用する方法も検討してください。企業に確実に届く安心感を得られるだけでなく、社会人としてのマナーや配慮が評価されるポイントとなるでしょう。
送信後は企業に到着確認の連絡を行う
履歴書を郵送した後は、発送した事実が企業側に伝わるよう、念のため到着確認を行うのがマナーです。特に選考の締切が差し迫っている場合や書類到着が結果に直結する場合は、重要な手続きのひとつといえます。到着確認時には、「履歴書を○日に送付しましたが、無事お手元に届いているでしょうか」と丁寧に問い合わせましょう。このような行動は、応募者としての誠実さを示し、企業側に良い印象を与えるきっかけにもなります。
まとめ
履歴書を郵送する際には、封筒の選び方や書き方、さらには郵送マナーまで細かく配慮することが求められます。これらはただの手順ではなく、応募者としての印象を左右する重要なポイントです。誤字脱字や記述漏れがないよう確認し、送付前には履歴書や送付状、職務経歴書など必要な書類が適切に整っているかしっかりチェックしましょう。特に切手の料金や封筒の記載方法など、細かなマナーを守ることで、企業に対して丁寧さや社会人らしさをアピールできます。履歴書を送る際の作成や郵送マナーを意識すれば、転職活動や就職活動において一歩進んだ印象を与えることができるでしょう。あなた自身の真摯な姿勢と細やかな配慮で、企業に好印象を与える履歴書郵送を心がけてください。