「仕事をする上で大切なことは何か」という問いは、自身のキャリアの軸を明確にするだけでなく、転職活動の面接でも頻繁に質問される重要なテーマです。
本記事では、一般的に重視される価値観や企業が面接で質問する真の意図、職種別の回答例文、自分だけの軸を見つけるための自己分析法について、営業職特化型転職エージェント「イノセル」の視点を交えて詳しく解説します。
目次
仕事をする上で大切なこととは?一般的に重視される5つの価値観
ビジネスパーソンが挙げる価値観は多種多様ですが、多くの社会人に共通して重視される要素にはいくつかの傾向があります。
ここでは、一般的に重要とされる5つの価値観を、視覚的に分かりやすい表にまとめました。以下の表は、各価値観の定義と、実務での具体的な行動イメージを整理したものです。
【一覧】仕事で重視される主な価値観と具体例
| 重視される価値観 | 概要・期待される効果 | 実務での具体例 |
| ① 成果や目標への「達成意欲・成長」 | 現状維持に満足せず、高い目標へチャレンジして組織の生産性向上や売り上げ拡大に貢献する姿勢。 | ・前月比110%の達成を目指して新規開拓のアプローチ数を自ら増やす。 ・不慣れな分野の勉強会に自発的に参加して知識をアップデートする。 |
| ② チームや顧客との「信頼関係・協調性」 | メンバーや他部署と連携してチームワークを発揮し、顧客の立場に立って誠実に対応する基本の基盤。 | ・納期が迫っている同僚のタスクを察知し「何か手伝えることはありますか」と声をかける。 ・顧客からの無理な要望に対して感情的に否定せず、背景を理解したうえで代替案を提示する。 |
| ③ 組織を動かす「主体性・当事者意識」 | 指示を待つだけでなく自ら課題を発見して積極的に行動し、効率的な改善策や工夫を生み出す姿勢。 | ・チーム内で「会議が長引く」という課題に気づき、事前にアジェンダを配布するルールを提案・運用した。 |
| ④ 業務を円滑にする「正確性と責任感」 | スケジュールを守りミスなく丁寧に進めることで周囲に安心感を与え、困難な状況でもやり遂げる強み。 | ・見積書の数字を提出前に必ずダブルチェックする。 ・トラブルで進捗が遅れそうな場合、発覚した時点で上司に理由とリカバリー案を報告する。 |
| ⑤ 誠実な対応と「企業理念への共感」 | 企業が掲げるビジョンや行動指針に共感し、お互いを尊重しながら同じ方向性を向いて働く一体感。 | ・「顧客第一」の理念に則り、短期的な自社の売り上げよりも、長期的な顧客の利益になる提案を選んだ。 |
これらの価値観は、どれか一つだけが正解というわけではありません。自分がこれまで培ってきた経験や、これから目指したい働き方に合わせて、どの軸を最も大切にしたいかを整理しましょう。
なぜ面接で聞く?企業が「仕事をする上で大切なこと」を質問する2つの真の意図
転職活動の面接において、面接官がこの質問を投げかける背景には、採用の成否を分ける明確な判断基準が存在します。
前提として:すぐに答えが出なくても焦る必要はない
多くの人は「仕事をする上で大切なこと」を毎日の業務の中で常に意識しているわけではありません。日々のタスクや目の前の目標に追われる中で、いきなり面接で問われたり、現在の仕事で行き詰まり悩んだ時に、ふと「自分の軸って何だろう」と立ち止まるのが自然な流れです。
そのため、すぐに答えが出てこなくても決して落ち込む必要はありません。まずは企業がなぜこの質問をするのか、その意図を知ることから始めてみましょう。
意図①:自社の社風や求めるスタンスと「定着性」を見極めるため
企業は、応募者の持っている価値観と自社の社風や企業文化がマッチしているかを最も重視しています。どれだけ優秀な能力や高いスキルを持っていても、大切にしている考え方が企業の方向性と大きく乖離している場合、入社後に環境に馴染めず、もやもやとした悩みを抱えて早期離職に繋がってしまう可能性があるからです。長く一緒に働ける人材かどうかの大切な判断基準です。
意図②:入社後の「活躍イメージ」が湧く人材か確認するため
応募者が「仕事をする上で大切なこと」を話す際の具体的なエピソードから、面接官は「入社後にどのような姿勢で業務に取り組み、チームに貢献してくれるのか」という活躍イメージを重ねています。自ら考えて行動できる人物像か、どのような場面でモチベーションを発揮するのかをチェックし、配属予定の部署で求めている人材像と一貫性があるかを確認しています。

【エージェントの視点】営業職に求められるスタンスは特に「誠実さ」と「達成意欲」
職種によって求められる能力のバランスは異なりますが、特に営業職の選考においては「目標達成意欲」と「誠実さ」の双方が高いレベルで求められます。単に売り上げの数字を追いかけるだけでなく、顧客の課題解決に向けて誠実向き合い、信頼を勝ち取ることが継続的な成果に直結するため、企業の採用担当者もこの両面を厳しく見ています。

【例文あり】仕事をする上で大切なことの面接回答例|強み・職種別
面接で回答する際は、最初に結論を述べ、その後に具体的な根拠となる過去の経験を伝える「PREP法(結論・理由・具体例・結論)」を意識することがポイントです。以下に、職種や強み別の回答例文を紹介します。
【営業職】「目標達成意欲」と「誠実さ」をアピールする回答例
私は仕事をする上で、「お客様に対する誠実な対応」と「個人・チームの目標達成」の両立を最も大切にしています。
前職の営業職では、単に製品を提案するだけでなく、事前の徹底したヒアリングでお客様自身も気づいていない潜在的な課題を把握することに努めました。その結果、深い信頼関係が構築され、他社からのリプレイス案件を獲得することができました。また、そこで得た顧客視点の気づきをチーム全体へ共有し、組織全体の目標達成にも貢献いたしました。御社でも、顧客の声を大切にしながら、数字へのこだわりを持って貢献したいと考えております。
【事務・企画職】「正確性」と「周囲への配慮」を伝える回答例
私は「業務の正確性」と「周囲のメンバーへの思いやり」を持って働くことが大切であると考えております。
事務職として日々のデータ入力や資料作成を行う際、ミスを未然に防ぐためのチェックシートを自ら作成し、作業の効率化と品質向上を徹底してまいりました。また、上司や営業担当の方々が次のステップへスムーズに移れるよう、相手の立場に立った先回りのサポートを意識した行動を日々心がけました。この経験を活かし、御社でも周囲の状況を的確に察知し、縁の下の力持ちとして組織を支えてまいりたいと思います。
【全職種共通】「信頼関係の構築」や「主体性」を軸にした回答例
私は、職場の仲間やお客様と「強固な信頼関係を構築すること」を何よりも大切にしています。
これまでの業務において、どのような小さな問題であっても途中で放置せず、解決に向けて自ら主体的に行動することを意識してきました。周囲とこまめに意見を交わし、目的やビジョンを共有しながらプロジェクトを進めることで、お互いを尊重したチームワークを生み出すことができたと実感しております。これまでに培ったコミュニケーションの姿勢を大切にしながら、御社のチームの一員として早期に活躍できるよう努めます。
仕事をする上で大切なことが見つからない時の「自己分析法」
自分の軸や考え方が抽象的になってしまい、うまく言語化できないと悩んでいる方は少なくありません。その場合は、以下のステップに沿って自己分析を行うことで、自分自身の判断基準がスムーズに整理されます。
ステップ①:過去の成功・挫折体験から「モチベーションの原点」を深掘りする
これまでの社会人経験を振り返り、やりがいを感じた瞬間や、逆にモチベーションが下がってしまった出来事を書き出す方法です。「どのような状況の時に嬉しいと感じたか」「何が原因で不満を抱いたか」を分析することで、自分が働くうえで譲れない要素や、感情が動くポイントが明確になります。
ステップ②:他己分析を取り入れ「自分では気づかない強み」を客観視する
自分一人だけの視点で考えていると、視野が狭くなってしまうことがあります。そこで、職場の同僚や上司、あるいは友人に「自分は仕事においてどんな姿勢に見えるか」を質問してみる他己分析が効果的です。客観的な目線を取り入れることで、自分では当然だと思っていた行動が、実は貴重な強みや価値観であったと気づく機会になります。
ステップ③:キャリアのプロと一緒にこれまでの常識や固定観念を「一度リセットする」
自己分析を進める中で、「仕事とはこうあるべきだ」「周囲の期待に応えなければならない」といった過去の思い込みに縛られ、本来の自分の願いが見えなくなっている場合があります。こうした固定観念をほぐし、価値観を一度フラットな状態にリセットするには、キャリアの専門家によるカウンセリングやアドバイスを受けることが近道です。プロとの対話を通じて、自分自身でも気づいていなかった本当に大切な価値観が自然と整理されていきます。


大切なことを軸に「後悔しない転職」を実現する2つのコツ
もし今、あなたが現在の仕事で悩みを抱えているとしたら、それはあなたの能力が足りないからではなく、「あなたが大切にしたい価値観」と「今の会社の環境や評価軸」がズレてしまっていることが原因かもしれません。
価値観を軸にしてマッチする企業に出会えると、日々の仕事の景色は大きく変わります。条件(給与や残業時間など)だけで会社を選ぶと、実際の社風とのミスマッチから早期離職を繰り返してしまうリスクがあるため、「価値観の合致」こそが納得のいくキャリアの鍵となります。
ここでは、大切な軸をベースに「後悔しない転職」を掴み取るための具体的な2つのコツを解説します。
コツ①:面接での「逆質問」を活用し、企業のリアルな価値観を見極める
面接の最後に必ずある「何か質問はありますか?」という逆質問の時間こそ、企業のリアルな価値観(社風)を確かめる絶好のチャンスです。以下のような質問を投げかけることで、その会社が本当に自分の大切にしたい軸と合致しているかを見極めることができます。
質問例:
●「御社で今、最も活躍している(成果を出している)営業の方々に共通する行動特性や、大切にしているスタンスはありますか?」
→企業の「成果への評価軸」と、自分の「達成意欲・手法」がズレていないか確認できます。
●「〇〇様(面接官)が、日々の業務の中で最もやりがいや誇りを感じる瞬間はどのような時ですか?」
→現場で働く個人のリアルな価値観や、会社に対する熱量を知ることができます。
●「御社の理念である『〇〇』について、営業の現場では日々の行動にどのように落とし込まれていますか?」
→理念が形骸化しておらず、本当に社員に浸透しているかをチェックできます。
企業の「建前」ではなく「本音の価値観」を引き出す逆質問を用意しておくことで、入社後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を未然に防ぐことができます。
価値観を軸に企業を選ぶことで得られる「3つの成長モデル」
このように逆質問なども駆使し、自分の価値観にマッチした企業を選ぶことができると、以下のような成長とメリットを手に入れることが可能です。
| 実現できる結果 | 変化のメカニズムと具体的なメリット | 実務での想定イメージ |
| ① 選択に迷いがなくなり成果が出やすくなる | 自身の信念に嘘をつかずに提案や業務ができるため、行動に自信がみなぎり、結果として周囲の信頼や数字がついてくる。 | ・「誠実さ」を大切にする人が顧客第一の企業に入社し、自信を持った提案で信頼を得て契約獲得数が向上する。 |
| ② 職場の人間関係のストレスが激減する | 働く環境における「当たり前の感覚」が周囲と一致するため、困った時にも自然と助け合える良好な関係が築ける。 | ・「チームワーク」を大事にする人が協調性のある社風を選び、トラブル時も同僚と抱え込まずに分散して解決できる。 |
| ③ 仕事へのやりがいが高まり面白くなる | 企業のビジョンや理念に心から共感していれば、多少の困難があっても「この仕事には意味がある」と納得して前を向ける。 | ・会社の成長フェーズと自身の挑戦心が合致し、未経験のプロジェクトにも主体性を持ってワクワクしながら臨める。 |
コツ②:転職エージェントを賢く利用し、客観的なマッチングを図る
自分一人で企業の「本当の価値観」を見極めるのには限界があります。そこで、転職エージェントという「プロの目」を介することが、後悔しない会社選びの最大の近道となります。エージェントを利用することには、主に以下の4つの大きな利点があります。
- 自分の価値観の言語化
転職エージェントが深掘り質問をしてくれることで、自分自身の価値観を深く紐解き、明確に言語化できます。 - 企業の価値観の事前確認
求人情報から読み取ることが難しいような「企業側のリアルな価値観や社風」を、事前に確認してもらえます。特に両面型エージェントは、企業側と長く深い関係性があることも多く、個人では見つけられない情報を得ることができます。 - 相性の良い企業マッチング
1と2を踏まえたうえで、あなたと最も相性の良い企業を精度高くマッチングしてもらうことができます。 - 選考対策による通過率向上
応募書類の添削や、模擬面接の実施、フィードバックを通じて、内定率が上がります。転職エージェントによって支援内容には違いがありますので、どんなサービスがあるか事前に確認しましょう。

条件だけで選ぶと危険!「価値観の合致」が早期離職を防ぐ理由
求人票に記載されている給与や待遇といった目に見える条件だけで次の会社を選んでしまうと、実際に働き始めたあとに「企業の求めるスタンス」や「社風」とのミスマッチが再び発覚し、同じ悩みを繰り返してしまうケースが多々あります。エージェントを介して「価値観の合致」を事前に確かめることが、入社後の不安を解消し、早期離職を防いで長きにわたり納得感を持って活躍を続けるための鍵です。

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まとめ:仕事をする上で大切なことを明確にして納得のキャリアを
仕事をする上で大切なことを明確にすることは、面接対策の回答を作成するためだけでなく、自分自身がこの先どのような働き方を送り、どのような人生を歩みたいかというキャリアの方向性を定めるうえで非常に重要です。
普段は意識していなくても、悩んだ時や転機が訪れた時に一から見つめ直せば問題ありません。自分の軸と言える考え方をしっかりと持ち、それに共感してくれる企業を見つけることが、長期的な活躍と幸福度の高い働き方を実現する近道となります。
まずはこれまでの経験を整理し、自分だけの軸を言語化することから始めてみてください。

