転職活動の第一歩となる「履歴書の提出」。最近では、履歴書をメールで送付するケースが一般的になっていますが、正しいマナーを守れているか不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
採用担当者に良い印象を与えるためには、単に添付するだけではなく、送信方法やファイル名、メール本文の書き方など、細かな配慮が欠かせません。
この記事では、履歴書をメールで送る際の基本マナーから、具体的なメール例文、注意すべきポイント、送信エラー時の対処法まで徹底解説します。この記事を通して、メール送付の正しいルールを身につけ、自信を持って転職活動を進めましょう!
目次
履歴書をメールで送る際の正しい作法とマナー
履歴書をメールで送信する際には、社会人としてのマナーが問われます。ここでは、企業からの指示確認やメール本文作成、ファイルの扱い方まで、押さえるべき基本ルールを解説します。
送付方法が指定されていないか確認する
履歴書をメールで送る際は、まず企業から送付方法の指定があるか確認してください。多くの企業では、履歴書や職務経歴書の送付形式を指定していることがあり、その指示に従うことが好印象につながります。指定がない場合は、一般的な送り方で問題ありませんが、事前に「送付予定日」や形式について採用担当者へ確認を取ることをおすすめします。例えば、「履歴書をPDF形式で送信すればよいか」などの確認をすることでトラブルを回避できます。指示された方法を守ることこそ、転職活動の基本的なマナーです。
件名、本文は簡潔にする
履歴書を送付する際の件名と本文は、採用担当者が一目で内容を把握できるよう簡潔に記載しましょう。件名の例としては「履歴書送付の件/氏名」とし、採用担当者が開封しやすいものにします。本文では、氏名や応募職種を明記するとともに、要件だけを簡潔に記載してください。また、結論を先に伝えることで分かりやすさを重視します。「履歴書と職務経歴書を添付いたしますのでご確認ください。ご不明点があればご連絡ください。」などの一文を添えると、好印象です。
ファイル名は日付、履歴書、氏名がわかるようにする
履歴書や職務経歴書のファイル名は、採用担当者が他の応募者と混同しないよう、日付、内容、氏名を含めることが重要です。例えば、「2025年03月10日_山田太郎_履歴書.pdf」とすることで、どの書類か一目でわかるようになります。これにより、採用担当者の負担が軽減されるとともに、応募者としての細やかさもアピールできます。適当なファイル名や無機質な名前のままだと、相手に混乱を招く可能性があり、結果として印象を落とすことにつながるため注意しましょう。
ファイルの拡張子はPDFにする
履歴書や職務経歴書は、PDF形式で送付するのが一般的なマナーです。PDF形式は、レイアウトが崩れないため、採用担当者がどのデバイスで開いても同じ内容を正確に確認できます。また、印刷時にも見やすいメリットがあります。Wordやエクセル形式で送付すると、開けない・レイアウトが崩れるといったトラブルになりかねません。そのため、PDF形式に変換し、「送付書類として適切であるか」を確認してから送信しましょう。
ファイルにはパスワードを設定する
履歴書や職務経歴書には個人情報が含まれるため、パスワードを設定してセキュリティを確保しましょう。パスワード付きファイルを送付する際は、メールを2通に分けて送信するのが好ましいです。1通目で履歴書を送付し、2通目でパスワードを別途伝えるようにします。この方法は、相手にも安心感を与えるだけでなく、万が一メールが誤送信された場合でも第三者に情報が流出するリスクを減らせます。用いるパスワードは、簡単に推測されないものに設定するよう心がけましょう。
履歴書は指示されたらすぐに送る
転職活動において、採用担当者から履歴書や職務経歴書の送付を求められた場合、可能な限り迅速に対応して送信することが大切です。書類の提出が遅れると、採用担当者に「仕事に対する姿勢が消極的」や「対応の遅い印象」を与えてしまう可能性があります。また、応募が多い場合、スピード感のある対応は他の候補者との差別化にも繋がります。履歴書はPDF形式で保存し、ファイル名には日付や氏名を記載してわかりやすくしておきましょう。なお、送信時にはパスワードを設定すると安心です。
深夜や早朝など営業時間外の送信は避ける
履歴書や職務経歴書をメールで送る際、送信時間にも注意が必要です。深夜や早朝など、採用担当者がメールを確認しない時間帯に送信すると、相手の受信トレイで埋もれてしまうリスクがあります。理想的な送信時間は、企業の営業時間内である午前10時~午後5時頃を目安にすると良いでしょう。また、どうしても営業時間内の送信が難しい場合は、事前にパスワード付きのファイルを用意し、送信前に最終チェックを怠らないようにしましょう。時間帯の配慮も、社会人としてのマナーの一環です。
履歴書をメールで送る際の書き方
採用担当者に好印象を与えるためには、メールの書き方にもコツがあります。このセクションでは、件名から本文、締め方、署名に至るまで、具体的なポイントを紹介します。
件名の書き方
履歴書をメールで送る際の件名は、担当者がスムーズに内容を把握できるよう簡潔かつ明確に書くことがポイントです。「履歴書送付の件/氏名」や「○○職応募書類送付のご連絡」といった形式が一般的です。このように件名に「履歴書」「氏名」「送付」といったキーワードを含めることで、採用担当者にとってわかりやすい印象を与えます。件名が曖昧だと内容が伝わりにくくなり、場合によってはメールが見落とされる可能性もあるため注意しましょう。
メール本文冒頭の書き方
履歴書送付用のメール本文の書き出しでは、まず挨拶と自己紹介を簡潔に述べます。冒頭には「お世話になっております。」といったビジネスメールの基本的な挨拶を入れ、その後に「○○職に応募いたしました○○(氏名)と申します。」と、自分を明示します。また、応募先企業の担当者名を記載することで、より丁寧な印象を与えることができます。相手に不信感を与えないため、誤字脱字がないよう確認も重要です。
メール本文の書き方
本文では履歴書送付の趣旨を端的に伝えます。具体的には、「この度、貴社の○○職募集に応募するにあたり、履歴書および職務経歴書を送付いたします。」のように記載します。その際、添付した書類の具体的な内容を明記し、例えば「PDF形式で作成しております」「パスワードは後ほど別メールでお伝えします」といった補足情報を含めることで、相手に安心感を与えます。要件は簡潔にまとめることが大切です。
メールの締め方
メールの締めには、丁寧な印象を与える一言を加えましょう。「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」や「何かご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡ください。」といった表現が一般的です。最後に「失礼いたします。」や「何卒よろしくお願い申し上げます。」で締めると、相手に好印象を与えることができます。読み手の負担を減らす短文でまとめるのがポイントです。
メール署名の書き方
署名は、送信者の連絡先を明確に伝えるために欠かせない要素です。「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」などを記載します。また、ビジネスメールではあらかじめ定型の署名を用意しておくと便利です。履歴書送付用のメールでは「○○職応募」「ご連絡先」といった一文も加えると良いでしょう。採用担当者が返信しやすくなるだけでなく、プロフェッショナルな印象を強調することができます。
履歴書をメールで送る際の例文
実際にどのような文章で送れば良いのか迷ったときに参考になる例文を紹介します。直接応募する場合、パスワード付きで送る場合、エージェント経由の場合など、ケース別にまとめています。
直接応募する場合の例文
直接応募する場合のメール例文としては、簡潔かつ丁寧な表現を心掛けることが重要です。件名は「履歴書(職務経歴書)送付の件/氏名」とし、本文は応募するポジションと自分の名前を早い段階で明記します。具体例としては以下のようになります。
件名:履歴書送付の件/山田太郎
本文:
〇〇株式会社
採用担当者様
このたび、貴社の〇〇職の求人に応募させていただきたく、ご連絡いたしました。
履歴書および職務経歴書を添付いたしましたのでご確認ください。
何卒よろしくお願いいたします。
山田太郎
添付ファイルの名称には「2025年03月10日_山田太郎_履歴書.pdf」といった形式を使用します。また、履歴書には写真を含め、パスワードを設定することで安全な送信が可能です。
パスワード付ファイルを送付する場合
履歴書をパスワード付きで送付する場合、履歴書を送信するメールとパスワード通知のメールを分ける必要があります。以下はその例です。
1通目(履歴書送信用)
件名:履歴書送付の件/山田太郎
本文:
〇〇株式会社
採用担当者様
お世話になっております。
このたび、貴社に応募させていただきたく、履歴書および職務経歴書を添付いたしました。
安全のため、ファイルにはパスワードを設定しております。
パスワードは別メールにてお知らせいたします。
ご確認のほどお願いいたします。
山田太郎
2通目(パスワード通知用)
件名:パスワード通知の件/山田太郎
本文:
〇〇株式会社
採用担当者様
先ほど送付いたしました履歴書および職務経歴書のパスワードをお知らせいたします。
パスワード:XXXX-XXXX何か不明点がございましたらご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
山田太郎
このように2通に分けて送付することでセキュリティを高めるとともに、採用担当者に丁寧な印象を与えることができます。
転職エージェントへ送付する場合の例文
転職エージェントに履歴書を送る際は、エージェントとのやり取りが進んでいることを前提に、シンプルかつ必要情報を盛り込んだ内容にします。以下は具体例です。
件名:【履歴書送付】山田太郎
本文:
〇〇エージェント株式会社
担当〇〇様
お世話になっております。
貴社よりご紹介いただいております〇〇株式会社の応募にあたり、
履歴書および職務経歴書を送付いたしますのでご確認ください。
ファイルはパスワードを設定しており、別メールにてパスワードをお知らせいたします。
取り急ぎ書類送付のご連絡まで申し上げます。
よろしくお願いいたします。
山田太郎
エージェントに送付する場合でも、ファイル名や形式(PDF)が適切であるか、また宛先のミスがないか最終チェックを行うことが大切です。
履歴書をメールで送る前のチェックリスト
送信ミスを防ぎ、確実に書類を届けるためには、事前のチェックが欠かせません。ここでは、送信前に確認しておきたいポイントをリストアップして解説します。
送付先アドレスの確認
履歴書をメールで送る際、まず送付先アドレスが正しいかを確認することが重要です。一文字でも間違ったアドレスを入力すると、書類が届かないだけでなく、個人情報が漏洩するリスクもあります。送信前に宛先を再確認し、不安がある場合は、企業の採用ページや求職サイトの記載内容と照らし合わせましょう。また、履歴書や職務経歴書を送付する相手の会社のドメイン名(@以降の部分)が正しい形式になっているかも忘れずにチェックしてください。確実に正しい送付先に送り、信頼性の高いコミュニケーションを心がけましょう。
件名・本文はわかりやすいかの確認
履歴書をメールで送る際、件名や本文が曖昧だと、採用担当者がメールを見落とす原因になります。件名には、「履歴書送付の件」「応募書類のご送付」など、簡潔かつ明確な表現を使いましょう。また、本文には自分の名前や応募職種を明記し、どのような書類を送付するのかを簡潔に記載してください。本文は主旨が分かりやすい構成にし、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。わかりやすい件名と本文で、転職活動における書類送信の信頼性を高めることがポイントです。
宛先の会社名/部署名/担当者名の確認
履歴書を送付する際、宛先の会社名や部署名、担当者名が正しいかを細かく確認することは必須です。誤った宛先に送ってしまうと、採用担当者に失礼な印象を与えかねません。特に難しい漢字や表記の揺れがある場合は、求人票や公式ウェブサイトで情報を再確認すると良いでしょう。適切な宛名記載は礼儀の基本であり、転職において必要不可欠なマナーです。これにより、プロフェッショナルな印象を持ってもらえる可能性が高まります。
本文の誤字確認
履歴書送付メールの本文には誤字脱字がないか注意して確認することが大切です。誤字があると、採用担当者に「細かい確認作業が苦手な人」という印象を与えてしまうかもしれません。特に「送付」という言葉や相手の名前に誤字がないかを念入りにチェックしましょう。作成後に一度時間をおいて読み返したり、読み上げ機能などを活用するのもおすすめです。事前に誤字をしっかり見直すことで、誠実さと信頼性をアピールすることが可能です。
本文の正しい敬語使いの確認
履歴書をメールで送る場合、本文中の敬語表現が正しいか確認することが重要です。不適切な敬語や敬語の過剰な使用は、印象を悪くする原因となります。例えば、依頼文では「~させていただきます」を適切に使い、過度に丁寧すぎる表現や誤用は避けましょう。敬語の使い方に不安がある場合は、メールのテンプレートやビジネスマナーの例文を参考にするのも良い方法です。正しい敬語で対応することで、採用担当者に良い印象を与えることができます。
ファイルの中身確認
履歴書や職務経歴書をメールで送る際は、ファイルの中身に問題がないか事前に確認しておくことが重要です。特にMacを使用してファイルを圧縮すると、一部の文字が文字化けすることがあります。このようなトラブルを防ぐため、必ずWindows環境での解凍テストを行い、応募企業側で正しく確認できる形式かを保証してください。また、名前や日付、写真の有無なども細かくチェックし、第三者が見ても分かりやすい状態に整えましょう。正しい形式や内容にすることで信頼性が高まり、転職成功の第一歩を踏み出すことができます。
ファイルの添付忘れ確認
履歴書や職務経歴書をメールで送る際にもっとも多いミスが、ファイルの添付忘れです。送信前に必ず添付が行われているか確認してください。添付漏れは採用担当者に「注意力に欠ける」と思われる可能性があります。転職活動では、細かいところまで配慮することで良い印象を作ることが大切です。送信ボタンを押す直前の「最終チェック」として、添付ファイルが指定の内容で、正しい形式(例えばPDF)になっているかを改めて確認する習慣を身につけましょう。この一手間が、書類選考通過率を上げる鍵となります。
ファイルのパスワード設定確認
履歴書をメールで送る際は、セキュリティ面に配慮しファイルにパスワードを設定して送るのが一般的です。特に、個人情報が含まれる履歴書や職務経歴書は、採用担当者以外に閲覧されないよう安全対策を徹底する必要があります。パスワードの設定が正しく行われているかを、送信前に確実にチェックしてください。また、設定したパスワードは別メールで送付し、双方のメールに関連性がわかる件名をつけると親切です。こうした配慮が応募企業に好印象を与え、採用への期待も高まります。
履歴書のメール送信がエラーになる場合の対処法
万が一、履歴書のメール送信時にエラーが発生した場合の対応方法を解説します。ファイルサイズの調整や宛先確認など、すぐにできる対策を紹介します。
添付ファイルサイズを圧縮する
履歴書や職務経歴書のファイルサイズが大きすぎる場合、メール送信がエラーになることがあります。多くのメールサービスでは、添付ファイルのサイズ制限が10MBから25MB程度に設定されています。これを超えると送信がブロックされるため、PDF形式の履歴書やその他添付ファイルを圧縮することで対応できます。無料で利用できるオンラインツールや圧縮ソフトを活用し、必要に応じて画像や写真の解像度を下げることも効果的です。また、複数の書類をまとめて送る場合は、zip形式で圧縮する方法も有効です。ただし、パスワード保護も同時に行うことでセキュリティに配慮することを忘れないようにしましょう。
宛先メールを見直す
メール送信がエラーになる理由として、宛先メールアドレスの間違いが挙げられます。履歴書を送付する際、採用担当者や転職エージェントから渡されたメールアドレスを再確認し、タイプミスがないか確認しましょう。また、アドレスが正しい形式で入力されているか(例:xxxx@yyyy.zz)をチェックすることも重要です。特に、誤って全角文字や余計なスペースが含まれていると送信エラーの原因になります。「送信」ボタンを押す前に必ず再確認し、不安な場合は関係者に問い合わせて正しい宛先情報を確認すると安心です。
送付先に問い合わせる
履歴書をメールで送信する際に何度試してもエラーが発生する場合、送付先に直接問い合わせてみましょう。企業側のメール設定によっては、大容量の添付ファイルや外部からのメールを受け取れない場合があります。問い合わせの際には、どのような形式のファイルや容量まで許容されるのかを確認するとスムーズです。また、メール送信が難しい場合の代替方法(例:クラウドストレージリンクの送信や郵送)についても伺ってみると良いでしょう。迅速かつ丁寧な対応を心がけることで、応募者としての印象も向上します。
まとめ
履歴書をメールで送る際には、正しい送り方やマナーを守ることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。基本的なポイントとして、メールの件名と本文を簡潔かつ明確に書き、ファイル名は「日付・氏名・履歴書」の形式にすることが重要です。また、履歴書や職務経歴書のファイル形式はPDFが推奨され、レイアウト崩れの防止や印刷のしやすさといったメリットがあります。
さらに、送付前のチェックリストとして、敬語が正しく使われているか、誤字脱字がないか、ファイルを確実に添付しているかを確認しましょう。また、パスワードを設定して送付する場合には、別メールでパスワードを伝える手順もお忘れなく。これらの注意点を守ることで、スムーズな履歴書提出が可能となり、転職活動を成功へと導く一歩を踏み出せるでしょう。