いつもお世話になっております。
イノセル内野です。
今日は、「遅読のススメ」というテーマで
お話しさせていただきます。
世の中には「速読」がもてはやされます。
たくさんの本を速く読んで、
多くの知識を手に入れることが
正解のように語られがちです。
確かに、
ある程度の速さで読むスキルは
現代において必要です。
ですが、
すべての本を同じテンポで読むのは、
ある意味「もったいない」読書です。
僕はこれまで何百冊も読んできましたが、
本当に「効いた」本は、
間違いなく“精読”した本でした。
その一つが、
ジム・コリンズの書いた本です。
たとえば
『ビジョナリー・カンパニー2』。
この本に出てくる
「第五水準のリーダーシップ」や
「弾み車と悪循環」の話は、
1回読んだだけでは腹落ちしません。
でも、
読み返しては立ち止まり、
今の自分に照らし合わせて考え、
また読み返す。
このプロセスの中で、
「なるほど」と腑に落ちる瞬間が
じわじわと訪れました。
速読では届かない場所がある。
それが、精読の世界です。
1文、1フレーズを
ゆっくり味わいながら読むと、
言葉が血となり肉となっていきます。
これは、
「本を読み切る」ことよりも
「本と向き合う」時間を
どれだけ持てたかに比例します。
特にジム・コリンズの本は、
「読むたびに刺さる場所が変わる」本です。
若手のときに読んだときは、
「偉大な企業はこんなにすごいのか」
と感動して終わりでした。
でも、
経営者として数年経ってから読み直すと、
「なるほど、あの時やった施策は
“弾み車”を逆に回してたんだな」とか、
「あの人が伸びたのは、
第五水準型だったからかもしれない」とか、
実務に結びつく気づきが
どんどん湧いてくるようになりました。
つまり、
読書は“経験値”で味が変わるんです。
そしてその違いに気づけるのは、
精読するからこそ。
たった1冊の中にある
深い示唆や本質をすくい取れる人が、
やがて大きな差を生むと僕は思っています。
これは営業でも同じです。
たとえば、
『影響力の武器』を
さーっと要点だけ読んで終わる人と、
1つ1つの心理効果を
「自分の商談ではどう使えるか?」
と考えながら読む人では、
同じ本を読んでも
得られる成果に雲泥の差が生まれます。
僕が本を読むときに意識しているのは、
「読み終えること」ではなく、
「次の行動に何を取り入れるか」です。
そのためには、
どうしてもスピードは落ちます。
でもそれでいい。
むしろ、
立ち止まったページにこそ、
“今の自分に必要な何か”が眠っている。
そんなふうに信じて、
時間をかけて読むようにしています。
営業も、経営も、
正解がない世界です。
だからこそ、
書かれている知恵を、
そのまま使うのではなく、
自分の現場にどう翻訳するか。
その翻訳作業こそが、
精読の時間です。
本当に“効く”本や教材、学びに出会ったときは、
ぜひペースを落としてみてください。
読む速度を落とすことで、
思考が深まり、
行動が変わり、
結果も変わります。
最後に、
ジム・コリンズの好きな一節を紹介します。
「偉大さは一時的な成果ではなく、
一貫した選択と行動の積み重ねである」
まさにこれは、
精読と通じる言葉です。